○一日の食事@辻斬燕丸
○一日の食事@辻斬燕丸
一日の食事といえば、私にはこれしか書くことがない。
そう、何を隠そう私は学生である。 食事はもとより購買で日々変わり行くパン争奪戦を繰り広げるのが楽しいのだ。
この学校には食堂がなく、その代わりに小さなパンと某大豆の携帯食料(買うのを私と変な友人しか見たことがない)と紙パックのドリンクを売る購買がある。 知っているだろうか。学校の唯一の購買というのは、驚くほど飛ぶように商品が売れていく。
昼休みともなればなおさらだ。
先日登校中に鳥そぼろ弁当を買っていったのだが、それでも足りなかった日があった。 暑い暑い暑い日だった。体育でソフトボールをしていなければもう少し大丈夫だと思うのだが。
仕方なく昼休みにパンを買いに行くと、もう30人はいるだろうか、このむさ苦しい時期に人が押し寄せているのである。
想像してみてほしい。 そのときはまだ冬服だったで、冬に着ていているような分厚いブレザーを着た野郎たちが各々騒ぎながらなんとか前に行こうと体を寄せ付けているのである。 うん、これから梅雨の季節も来ることを想像してほしい。ぜひ。
笑った。 その後並ぶか30秒考えて湿度計をもってきたらすごい数値がでるだろうなと苦笑も苦笑。
購買には、もうパンが殆どない。薄っぺらくてこのご時世の影響で更に薄っぺらくなったホットケーキと某大豆(ry しかない。 私の学校では最初2メートルほどの二段の商品棚にあったパン類が10分の休憩を3回挟んだだけで半分消え、長い昼休みでそれが全部消えるのだ。
戻ってみると、教室ではどこ見てもパン食ってる奴ばっかりである。
まぁ全学年1000人いないにしても、学校唯一の購買である。 この学校の生徒はこの一個110円(前は100円だったが値段が上がった)のパンで楽しく団欒するのである。
なんと幸せなことであろうか。 このご時世、昼休みに団欒していられるだけ学生というのは気楽な身分であろう。 200円位する(2倍くらい高い)男のクレープとかいう何だか寒天の入ったクレープを食べて、ひねくれる私であった。
そういえば、その日の雪辱を果たすために速攻で買いに行った日もあった。 昼休み、号令と共に頭を下げながら廊下の扉を開ける。
そこからはもう50m走である。Aマホ的に軽量状態で全速移動である。
まだ数人しかいない(というか何でいるんだ)購買に駆け寄って、110円をもった腕を伸ばす。あげパンゲット。 どうでもいいがあげパンなんて私は見たことがなかった。
購買のおばちゃんに、早いねぇと皮肉とも取れることを言われる。おもわず苦笑。 そして勝利の雄たけびをするであった。
分かってもらえるだろうか、この優越感。この達成感(笑
友人に話してもまったく同意してくれないのでこのコラムの場を借りて言わせていただきたい。
っと、楽しみの話がまだだった。 それは、選ぶ楽しみというよりも勝ち取る楽しみといってもいいかもしれない。
それはそれは、普段は山崎のデニッシュは安価で量が多く、飛ぶように売れる。 それだけに、昼休みまで残っていたことなんて両手で数えられるほどだろう。 あげパンもそうだ。
そいえば、一度昼休みに最後の一個のあげパンを勝ち取ったことがあった。 人ごみに紛れ、肩を入れて前に進んでおばちゃんがこっちを向いてくれるのを待つのだ。
前に出てこっちに振り向いてくれれば私の勝ち。 見事パンを奪い取り、個人的には教室に凱旋な気分である。
いやはや、振り向けばあげぱんを買おうとした友人その1。 もう笑うしかない。芝村さんもびっくりのゲラゲラ笑いである。
乱文失礼しました。
文責:辻斬燕丸@ながみ藩国 イラスト:辻斬燕丸@ながみ藩国
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