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I_dress_sweetpea

ACE

スイトピー(ACE)

要点・周辺環境

  • 要点
    • ゴシックロリータ・巻き髪
  • 周辺環境
    • 夜明けの船

イラスト

イラスト:灯村


イラスト:ながみゆきと&凪乃芽黒

設定:比嘉劉輝&黒葉九印(我が藩切ってのスイトピー妖精たち)

「え、スイトピーさんが来るんですか!?」
 会議室に響き渡る声。声の主の事は良く知っている。
 14歳の秘書官でパイロットも務める参謀。藩国の軍事顧問を担当する傭兵。
 普段はぼーっとしてるけど、時々「戦争したいなあ」とか呟いてる物騒な少年。
 そう、僕だ。
「いや、え、うそ、ホントに?」
 自分でも何を言ってるのか良く分からない。
「えーっと、落ちついて状況を整理しよう……」
 2度3度深呼吸。あー、最近ちゃんと寝てないから頭が回ってないのかも。
 いや、ひょっとしたら耳が悪くなったのかもしれない。今度医者に見てもらおう。
「いつ、どこに、誰が来るんですか?」
「今日、ここに、スイトピーが来るんだよ」
 OK、僕は耳も頭も正常だった。正常じゃないのは状況の方だ。
「なんでそんな突然!」
「いや、前から決まってたけど、教えたら取り乱すじゃん」
「ああ、なるほど……っていやいやいや、事前に教えてくれなかったから取り乱してるんですよ! ああこうしちゃいられない!」
 全力疾走から八艘飛び、テーブルを飛び越えて会議室から飛び出し……たつもりで着地に失敗した。
 めちゃくちゃ痛い。でも気にしてられない。
 立ちあがって再び走った。
 
 法定速度(?)ブッチギリで、廊下を走る事15秒。普段はこの辺りで他の皆が止めに来るんだけど、今日は完全にスルーだ。
 どうやらそもそも止める気がないらしい。というか皆なんだかニヤニヤしてる。
 
 ……あんにゃろう、楽しんでやがるな。
 
 片っ端からキックしてやりたい気分だけど今は時間がない。全力疾走しながら次の手を考える。
「軍事予算として回されたのが40億にゃんにゃん、そこから5億を開発費用と騙して流用すれば……」
 いつも通り、いきなり違法行為から考え始める。どうやら緊急時でも頭の回転は落ちてないらしい。
 普段からこんな事をしてるって事自体が問題な気もしたけど、考えないことにした。
「よし、歓迎会の費用を捻出できる。後は到着までに準備を……」
「スイトピーさんがお見えになられましたー」
「なにぃ!?」
 素っ頓狂な声をあげて盛大にすっ転んだ。床の上を3バウンド。
「ご、5分も経ってないのに……」
 どう考えても僕に通達するのが遅過ぎるだろ、そんな事を考えても時既に遅し。
 床でぶつけた鼻をさすりつつ、玄関へと向かう。
 頭の中では様々な歓迎案が浮かんでは消える。流石に数秒で可能な歓迎案は思いつかない。
 廊下を進みながらも考え続けたが、結局名案が閃く前に玄関に到着してしまった。
「……ええい、なるようになれ」
 腹を括って玄関の扉を開く。
 
 玄関の外には、小さな人影が一つ。
 白い日傘をさして、白いゴシックロリータな服装に身を包む。
 その肌はどんな白よりもなお白い。
 常夏のこの国にいては見られない、深深と降り積もる雪を思わせた。
 そしてその瞳は、眩い白の中で一際目立つ、透き通るような蒼をしていた。
 金の巻き髪が、風になびく。

 それは、僕がずっと待ち望んでいた一人の少女だった。
 
 気付けば僕は、何も出来ずにその場に立ち尽くしてた。
 その姿を見たときから頭が真っ白になって何も考えられない。
 まるで瞳から白い光が入ってきて、頭の中を焼いているようだ。
 目を逸らすことも出来ない、もしかしたら呼吸も止まっていたかもしれない。
 長い長い数秒が過ぎた後、僕は声をかけるために口を開いた。
「えっと、その、あーっと……」
 言いたかった事は沢山あったはずのに、口をついて出たのは訳の分からない言葉ばかり。
 いぶかしげにこちらの様子を眺める彼女を見ると、気ばかり焦って空回り。
 何か言わないといけない、歓迎の意志を示さないといけない。
 だから……
 
「お待ちしておりました。我々はあなたを歓迎します」
 
 とりあえず、すこし微笑んでそう言う事にした。
 
 ま、上出来かな。
 続きは、うん、きっとそのうち伝えようと思う。そのうちね。
 
〜へたれ軍師のひみつ日記より抜粋〜

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 小笠原沖に停泊する夜明けの船。
 そのクルーにスイトピーという少女がいる。
 それは世界から革新の意志を託された、一人の絢爛舞踏である。
 
/*/
 
 その日、ながみ藩国の会議室では一つの決定がなされようとしていた。
 小笠原の夜明けの船から一人の有名人を、この藩国に招こうというものである。
(この時、兵器開発の為に席を外していた約1名が後々酷い事になるが、それはまた別の話。事件が会議室で起こる事もある)
 
 その有名人の名前はスイトピー・アキメネス・シンフォリカルプス。
 マワスプ(火星上流階級)の少女であったが、政治闘争で両親が殺害されて火星独立軍に所属する事となった。
(なお、両親を殺害した相手は地球軍とされているが、これにはいくつか疑問が残る)
 
 シンフォリカルプス家が私財を投げ打って火星の住民に食料を供給していた事は有名な話で、その為火星独立軍から命を狙われたこともある。
 火星が貧窮しなければ独立の気運が高まらないからである。
 しかしどれだけ命を狙われても活動を辞めなかった事もまた有名な話で、
 ここには彼女の一家に共通する妥協を知らぬ信念の強さを垣間見ることが出来るように思う。
 彼女の強さはその信念と誇りによるものであり、それは何よりも美しい心のあり方であると言えるだろう。
 彼女は地位によって貴族であるのでは無い、その心が彼女を貴族にしたのである。
 
 火星独立軍に入った後は、高重力下での訓練やRB操縦など各種戦闘訓練を受けたとされている。
 なるほど、電源ゲーム絢爛舞踏祭にて筆者のホープが話しかけても、軽くあしらってサンドバッグを叩くのはその為か。
(「それ嫌われてるんだよ」という声が聞こえた気がしたが、聞こえなかったものとする)
 
 出された食事は文句を言わずに食べるのが彼女達の習慣であるらしい。
 そのせいで気付けば毎日同じ食事が出たこともある、というのはスイトピー妖精の諸兄はご存知の通りである。
 その一方で実際は食事にはこだわりがある方らしく、火星独立軍時代は朝食ぐらいはちゃんと取りたいとこぼす事もあったという。
 なるほど、電源ゲーム絢爛舞踏祭にて筆者のホープが手料理を渡しても、直後にその料理をホープに食わせにきたのはその為か。
(「泣きたい時は泣いても良いんだよ」という声が聞こえた気がしたので、存分に泣かせてもらうものとする。うわーん!)
 
 一応補足しておくと、スイトピーは冷たい訳ではない。彼女は強いのだ。
 両親の死や、自身に対する多数の暗殺未遂事件、夜明けの船に所属する事になった後も数多の苦難を味わってきたのだろう。
 だから彼女は知っているのだ。人生というものの厳しさや後悔の苦味、妥協し、諦めることの辛さを。
 つまり、厳しく当たるのはその先に待っている苦痛を味あわせないための彼女なりの優しさであり、
 決して筆者がうざいから冷たく当たってるわけではないと信じてるよ!
 
 ながみ藩国へと招かれたスイトピーは、きっとこの国に生きる人達に一つの生き方を示してくれるだろう。
 そしてそれが、たくさんの人の心を照らすものであればスイトピー妖精の筆者としても幸いである。
 
 彼女は革新の絢爛舞踏、誇り高き一人の少女である。
 
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 さて、一部のスイトピー妖精の裏工作(ホープから絢爛女性ACE派生の噂を聞きつけホープの取得を国に強力に促した)の皆あって見事スイトピーを招くことになったながみ藩国では連日スイトピー妖精たる摂政が職権乱用気味に歓迎の用意を進めていた。
 
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 スイトピー歓迎企画 企画書
 責任者:ながみ藩国摂政 黒葉九印
 開催目的:念願かなってながみ藩国にいらっしゃったスイトピー嬢のために藩国を上げて歓迎を行なう。これによってスイトピー嬢が滞在するにあたっての我が国の印象をよくししてもらい、快適に過ごしてもらうのが目的である。
 
 企画内容

1・愛の丘を貸しきっての大茶会
 宮殿裏手にある国一番のデートスポット「愛の丘」を貸しきっての大茶会を催す。予算10億、動員数100名以上のものにする。スイトピーに紅茶を淹れてあげて私の印象をよくしようとかそんなことは決して考えていないので、そこんところよろしく。なお、関係各所には摂政権限にて通達を出す予定。
 
2・空母「Qeen SIRO」甲板への歓迎ペインティング
 ながみ藩国所有の空母「Qeen SIRO」の甲板上へスイトピーのイラストを盛大に描き、歓迎の意を示す。予算10億、他国から優秀な技族も招聘する予定。なお、既に甲板に書かれているしろ王妃のイラストは一時的に削除し、その上から書く予定である。なお、これにはながみ藩王の強い反発があると思われるが、そこはなんとかする予定である。
 
3・スイトピー来藩記念写真集の発行
スイトピーの来藩を記念して藩国技族にスイトピー来藩記念写真集を発行させる。予算は青天井、藩国の全技族を動員する予定。反発は摂政がなんとかうまくなだめる予定。
 
/*/
 
「というわけで、企画書デス。ご認可ください」
 ここは藩王の執務室。いるのは藩王ながみゆきと、財務担当のたんばの、そして技族代表としてつばき、そして摂政黒葉である。黒葉以外の3人、企画書に目を通して…一斉に苦い顔をした。藩王にいたってはなぜか笑ったままであったが。
「まず企画内容1についてはどうですカ?素晴らしいでしょう、丘を貸しきっての大茶会、きっと優雅なひと時になるに違いありまセン!」
「却下です」
 即決。そう言ったのは財務担当のたんばのである。
「今うちの国には…無駄、とは言いませんけどこんなことにまわしてる余裕はありません」
「た、たんばのサン、そ、そこをなんとか、ほら私とあなたの仲じゃありませんカ」
「それと、これとは別、まったく別、これっぽちも別問題です」
 うなだれる黒葉。そこに追い討ちをかけるようにつばきがこう言った。
「企画内容3も却下ですね。今うちの技族は大変なんです。わかってるでしょう?」
「わ、わかってますケド、そ、そこをなんとか、ほら私とあなたの仲じゃ―」
「駄目です。余裕ないんです。みんな疲れてるんです」
 と、さすがに技族の疲弊状況を知っている黒葉はそれ以上言葉を返すことが出来ない。だったらこんな企画立てるなというのは言ってはいけない。無茶だと分かってもやれるだけやってみるのがスイトピー妖精である。だが、ここまで2戦2敗。残った企画は後ひとつ。番人は藩王ながみゆきとその人。状況は…笑っている。藩王ながみゆきとは笑っている。これは勝機があるのではないのか。そう一縷の望みを賭けて切り出す。最後のカードを。
「藩王サマ、企画内容の2なんで―」
「駄目」
 即答。先ほどのたんばのの返答が音速ならこちらは光速を10倍ほど突破した感じの返答っぷりである。きっと惑星内ならソニックブームで何もかもが破壊されるだろう。とんでもない威力の返答である。
「え、いや、まだ何も言って―」
 ないですよ
「駄目」
「藩王さ―」
 ま、ちょっとだけでも話を聞いてくださいよ
「駄目」
「なg―」
 がみさん?
「駄目」
「今日のご飯h―」
 はなんですか?
「駄目」
「しr―」
 ろさんとラブラブですよね
「当然」
 黒葉、盛大に音を立てて崩れた。あらゆる意味で完敗だった。そもそもしろ王妃のイラストを塗りつぶすなんて愛妻家藩王が許可するはずもないのであった。
 
/*/
 
 結局、黒葉の企画は完膚なきまでに叩き潰されてしまったのであるが、歓迎会自体は行なわれた。全面貸切とはいかないものの、一部を貸しきってスイトピー歓迎茶会は開けたし、空母「Qeen SIRO」の側面に巨大な横断幕を飾ることも出来た。写真集は出せないものの、通常版と教師版を描いた記念切手(イラスト郡中央)の発行もできた。これ実はすべてながみ藩国のスイトピー妖精達の計画通りである。最初に無理な企画を出し、次にそれよりはるかに規模の小さい企画を提出する。相手は最初の規模の大きさに価値観を狂わされているので正常な比較ができず、これくらいならいいかと、認可をしてしまうのである。これぞ交渉の極意である。
 
「うまくいきましたね」
「そうですねうまくいきましたね」
「これで僕等の野望も一歩達成ですね」
「そうですね」
「フフフ」
「ハハハ」
「「フハハハハハ」」
 
 今日もながみ藩国にはスイトピー妖精達の笑いが木霊するのであった。

評価・特殊・次のアイドレス

  • 評価
    • 全能力18+1+2=19(HQボーナス+ホープのHQボーナス継承1世代目)
  • 特殊
    • スイトピーは世界貴族、船乗り、パイロットとして見なし,これらの持つ全ての特殊が使える。
    • スイトピーはジェントルラットの全能力評価を×1.5(評価+1)する。
    • 世界貴族は白兵戦、近距離戦、中距離戦行為ができる。
    • 世界貴族は白兵戦行為ができ、この時、選択によって白兵戦の攻撃判定は×2.25(評価2)出来る。補正を選択した時は燃料1万tを必ず消費する。
    • 世界貴族はターンの頭に+1億を国庫におさめる。
    • 船乗りはボートで2万tの物資を緊急輸送することが出来る。
    • 船乗りはパイロット行為、コパイロット行為、艦船操縦行為ができる。
    • 船乗りは、船、艦の上で活動する間、全ての能力は×2.25(評価2)される。
    • パイロットはI=D、航空機、宇宙船のパイロットになることが出来る。
  • 次のアイドレス
    • アキ(ACE)・オーキマイト(ACE)・BL(ACE)・成熟スイトピー(ACE)